児島善三郎 着色水墨 「橋」
波兎夜着 筒描
めでたさや 雲井に浮かぶ 峯仰ぎ 丸子(がんす)
正月八日に、一人で茅野の手前にある富士見パノラマスキー場
へスノーボードをしにいってきました。転んでばかりで散々でした
が、真正面に広がる八ヶ岳の雪を頂いた山塊や山頂付近から眺
めた富士山の姿は誠に心洗われる感動的眺めでした。
「良くぞ日本男児に生まれけり」といったところです。
ところで、最近、新聞などでよく目にするのに、「ジャパン・スマー
ト」とか「日本人の本来の特性を活かせ」とか、しぼみ加減の日
本人の魂を奮い立たせる記事や特集が目に付きます。日本の
風土の素晴らしさや民族の情緒の卓越性を自ら再認識しなけれ
ば、グローバル社会で生き残れないという論評が出始めてきて
います。以前は「経済は一流、政治は三流」などと言われて、い
い気に成っていましたが、いまや、経済も中国や途上国に押され、
政治家の発言などは、どこの国もまともに聞いてくれなくなってし
まいました。急速な少子高齢化と財政赤字の急増、それにも増し
て国民に根深く浸透した「他力本願の意識」によって日本沈没は
避けられないのでしょうか。そんな不安を吹き飛ばし日本再生を
期する動きが国民自体から出てきたのでしょう。政治家に任せて
はおけない。自らが変わらなくてはいけない。それによって周辺の
見方が変わってくるからです。本年が日本人の魂と誇りを取り戻
す最後のチャンスと覚悟するくらいでなくちゃ御終いです。高潔な
民族意識を有しない国と国民が他国から尊敬されたり、憧れられ
たりするはずが有りませんから。
そんなことを思いながら、年頭に意識したのが「橋」のイメージ
です。世代間に架ける橋、民族間に架ける橋、心と文化に架ける
橋、未来に架ける橋。「橋」は旅の出発点であり、終着点にもなります。
市場から
年が明けて、皆様の景気に関する体感温度はいかがでしょうか。
年明け早々、8日には毎日オークションが開催されました。メイン
セールではありませんので高額商品は少ないですが、1000万円
を超えた作品もありました。加山又造のペルシャ猫を描いた15号
が2300万円、現代美ではリー・ウーファンの80号が1050万円、
草間弥生の100号の網の作品が1000万円などが目立ったところ
でした。落札総額が約2億円、落札率約80%で、軽くスタートを
切ったといったところでしょうか。先月号で予告した9日の千束
会(日本画)の80周年の記念の大会ですが、100軒以上の売りが
あり午前10時半に開始され終了したのは夜の7時過ぎでした。
総出来高は詳しくは解りませんが約9億円ぐらいだったろうと推
測しています。一番高額だったのは東山魁夷のフィンランド風景
10号で1750万円、その他1千万を超えた作品は7点と品薄状況
です。上位に並んだのは横山大観、上村松園、杉山寧、平山郁
夫、岡鹿之助、棟方志功といったところです。本年の相場を占う
というほどの大商いではありませんでした。売る方も、買う方も大
変だなぁ、見ているほうは疲れたなぁというのが感想でした。
それにしても画品や画格の高い作品が安いです。日本画では福
田平八郎や徳岡神泉、小林古径に前田青邨、安田靫彦などなど。
祖父善三郎は口癖のように「画品、画品!!画格、画格!!」
とその高さを求めていたのに。何もかもがスピードと刺激に支配さ
れてしまっているかのようで残念です。
今月の新着
福井良之助 「ぐみ」 孔版
福井良之助 「花」 孔版
別にこのコーナーの為に買っているわけではありませんが、
先述の毎日オークションで福井良之助先生の孔版画二点を
求めました。以前にお客様にお納めして以来お目に掛から
なかった、グミの実を描いた可憐な小品と紫陽花です。いつも戦うお二人に競り勝ったので、うれしいのですが、予算
一杯までいってしまいました。
画集編集室便り
特にやることもなかったので、4日から出社して鑑定書に使った
写真のスキャニングに励みました。1週間暖房が入っていなか
った画廊は冷え冷えとして震えながらの作業になりました。
年明けから又、何箇所か撮影にお邪魔しなければなりません。
欲もどんどん深くなり一点でも多く収録しようと気合が入ってき
ています。未確認情報ございましたら是非お寄せ下さい。
編集の藤元女史とは21日に打ち合わせ、総合監修をお願いす
る先生が見えてきそうです。