児島善三郎 「早春(梅)」 10F 個人蔵
仙崖 「天神図」
梅一輪 一輪ほどの 暖かさ 嵐雪
東風吹かば にほひおこせよ 梅の花
主なしとて 春を忘るな 菅原道真
毎朝犬と散歩の近所の公園もだいぶ前に紅梅が咲き始め、追い
かけるように今、白梅が盛りを迎えています。
以前の家の庭には屋根の高さほどもあった盆形のしだれ白梅が
ありました。ガクが紅いので、満開になるとピンクに染まった
ようにも見えました。大きな庭石をはさんで右手には臥龍形の
紅梅が植わっていました。ここでも紅梅が早く、白梅は特に遅
咲きでしたので前田青邨の紅白梅図のように並んで咲き誇るよ
うなことはありませんでした。自然の松林の中に竹林を作り、
内庭には梅の木ですから、この庭を作った善三郎はめでたさを
愛したのでしょう。又、郷里が福岡ですから、飛び梅で有名な
大宰府天満宮も大好きだったようで、水墨画や油彩で何点も大
楠や赤い太鼓橋が池に写る姿を描いています。掲出の仙厓和尚
の天神図も遺品の一つです。この天神様のスタイルは渡唐天神
といって中国風の服を着て梅の枝を持ち微笑んでいるのが特徴
です。受験のお子様やお孫さんがいる方は間に合えば切り抜い
て持たせてあげてください。油絵のほうは杉並のアトリエのす
ぐ近く、畠の畦に可憐に咲く白梅を描いています。周りの麦畑
に比べ梅の木の右側は一段急に下がっています。田起した土の
色、梅花の白、遠くの空のうす小豆色、それに麦畑の緑のスト
ライプ。早春の主役たちが森の前で踊りだそうとしているよう
です。
市場から
「風が吹けば桶屋が・・・」みたいに、
アメリカや先進国の超金融緩和の影響で途上国はインフレになり、
そこの庶民は生活苦に怒り、独裁者はデモ隊に追われ、イスラエ
ルもビビリだし。中東の原油が上がるんじゃないかと投機家は虎
視眈々。そんな中、わが国の銀行も大企業も好決算続々だ。
株も高い、長期金利も上がりだしたけど、国債の格付けは下がり、
若者の就職難はなくならない。国会は何も決められないし、小沢は
辞めない。雪も火山灰もドンドン積もる。俺にも誰かランドセルを只
でくれないかい!!♪♪♪どなたかこのラップに曲を付けていただけな
いでしょうか。牧伸二はラップの元祖ですね、「アーアーアーアー、
やんなっちゃった!!あーあーあーあー驚いた!!」懐かしくないで
すか。嘆くやつもいなけりゃ、デモるやつもいない、こんなインポテン
ツな日本にいつからなっちゃったのでしょう。3Dテレビになれば手
を突っ込んでコメンテーターなんていってる奴等を引きずり出してき
て「イイカゲンニシロ!!」と怒鳴りつけることが出来るのでしょうか。
それに付けても「絵が安い」「デフレが憎い」なんて言ってますが、
私たち団塊の世代は3回もバブルがあって、一番いい思いをしてき
たし、これからはみんなで年寄りになって若い世代を苦しめるんだ
そうで、「どうも、すみません!!」冗談はこれくらいにして、市場は
下げ止まりしそうな予感がします。欧米やアジアの市場でも物不足
には代わりがありません。さまざまなコモディティに買いが入ってい
ます。美術品に来ないわけがありません。「柳緑花紅」柳の芽が膨
らみ、花々が咲き乱れる、春の相場はこうあってほしいものです。
画集編集室便り
当初の予定と異なり、編集主宰を私がつとめることになりました。
なるべく第三者の目で善三郎像を炙りだしていただこうと考えて
居りましたが、これも成り行きでしょう。数学者 岡潔さんは著書
の中で「人は情緒を形にあらわして生きている。その情緒が形に
現れるとき、喜びがある、それが生きがい、真善美です。」と書い
ています。大きく励まされる言葉です。又、「その人の過去全部、
過去のエキスが情緒であると思います。」とも書いています。
作品集、レゾネの意味に「すーっと」爽やかな風が吹き込んで来
る思いがいたします。